田舎の土地が売れないときの手放し方6つ:かかるお金と向く土地で比べる
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目次
相続した地方の土地を売りに出しても買い手がつかず、固定資産税と草刈りだけが毎年続いている。手放す方法を6つ並べ、土地の種類(宅地・農地・山林)ごとに、どれから当たればよいかを決められるようにしました。
この記事の結論
- 建物つきの宅地なら、訳あり物件の買取業者と、自治体の空き家・空き地バンクを先に当たります。隣地の所有者への声かけも同時に進められます。
- 農地は、農地のまま売るにも農業委員会の許可が要ります(農地法3条)。相続したら、おおむね10か月以内に農業委員会への届出も必要です(農林水産省)。
- 山林(地域森林計画の対象の森林)を相続したら、90日以内に市町村長への届出が必要です(林野庁)。山林は買取が難しい場合があると書く買取業者もあるため、相続土地国庫帰属制度の要件もあわせて確かめます。
- 相続土地国庫帰属制度は、建物がない土地が対象で、審査手数料は1筆14,000円、負担金は20万円が基本です(森林や一部の宅地・農地は面積に応じた額。法務省)。
- 「高く買い取る」という電話の勧誘には応じないでください。国民生活センターは、原野や山林の買い取り話をきっかけに別の契約をさせる手口に注意を呼びかけています。
建物つきの宅地で、仲介では買い手がつかなかった人は
PRワケガイに無料査定を申し込む査定は無料、対応は全国(例外あり)で、山林や田畑など宅地として使えない土地は買取が難しい場合がある、と公式のよくある質問に書かれています(2026年10月25日に確認)。
手放す方法6つを比べると、どれが自分の土地に向きますか?
6つの方法を、相手・かかるお金の種類・向く土地で並べました。金額の目安が公式に出ているのは国庫帰属制度だけで、ほかは相手と土地で変わります。
| 方法 | 相手 | かかるお金の種類 | 向く土地 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| 買取業者に売る | 訳あり物件などを買い取る不動産会社 | 査定は無料と書く業者がある(ワケガイ・訳あり物件買取ナビ)。売るときの費用(測量・登記など)は契約で決まる | 建物つきの宅地、再建築不可・共有持分などの事情がある宅地 | 山林・田畑は難しいと書く業者がある |
| 隣地の所有者に売る | 隣の土地の持ち主 | 登記の費用。価格は話し合い | 隣の人が使いやすい形の土地 | 相手次第(当サイトの整理) |
| 空き家・空き地バンクに載せる | 自治体の制度を通じて探す人 | 自治体ごとに違う | 移住者などが使える家や宅地 | 利用条件は自治体ごとに違う(国土交通省) |
| 自治体などに寄付する | 市区町村など | 寄付が受け入れられるかは自治体の基準次第 | 自治体の事業に使える土地 | 受入れの基準を自治体が決めている(名古屋市の例) |
| 相続土地国庫帰属制度 | 国(法務局に申請) | 審査手数料1筆14,000円と、負担金(20万円が基本) | 建物がなく、境界や権利の争いがない土地。農地・森林も申請できる | 建物があると申請できない。標準処理期間は8か月(法務省) |
| 土地活用で持ち続ける | 土地活用の会社 | 活用の方法ごとに初期費用がかかる | 道路に面し、需要がある宅地 | 需要のない土地では成り立たない(当サイトの整理) |
上の表の「向く土地」は、各制度・業者の公式の記載をもとにした当サイトの整理です。自分の土地がどれに当たるかは、次の節の土地の種類ごとの注意で絞り込めます。
宅地・農地・山林で、何が違いますか?
宅地(建物つき・更地)
6つの方法のほとんどが候補になる土地です。建物つきなら買取業者と空き家バンク、更地なら隣地への声かけと国庫帰属制度も候補になります。国庫帰属制度は、建物がある土地は申請できず(登記がない建物でも同じ)、原則として取り壊してから申請することになります(法務省のQ&A)。解体の費用をかけて国に引き渡すか、建物つきのまま買取業者に頼むかを比べてください。家財が残っている場合は、買取業者によってはそのままで買い取ると公式サイトに書いています(訳あり物件の買取業者の比べ方)。
農地(田・畑)
- 農地を売ったり貸したりするには(転用目的を除く)、原則として売る人と買う人が農業委員会に申請し、許可を受ける必要があります。許可を受けずにした行為は無効です(農林水産省。農地法3条)。
- 宅地などに変えて売る場合は、農地転用の許可が要ります。許可をするのは都道府県知事(または農林水産大臣が指定する市町村)です(関東農政局)。
- 相続で農地を取得したら、相続の発生日からおおむね10か月以内に、農地がある市町村の農業委員会への届出が必要です。相続登記とは別の手続きで、届け出ないと10万円以下の過料の可能性があります。地元を離れて管理できない場合は、農業委員会が管理の相談に乗り、借り手を探す手伝いをすると案内されています(農林水産省)。
- 農地も国庫帰属制度に申請できます。申請の前に農業委員会に相談することもできます(法務省のQ&A)。
農地は、まず農業委員会に「買う人・借りる人を探す方法」を聞くのが早道です(当サイトの考え)。
山林
- 売買や相続などで森林の土地を新たに取得した人は、面積にかかわらず、所有者になった日から90日以内に、土地がある市町村の長に届け出る必要があります。対象は都道府県の地域森林計画の対象になっている森林で、登記の地目が山林でなくても、森林の状態なら対象になる可能性が高いとされています。当たるかどうかは市町村か都道府県の林務の担当で確かめられます(林野庁)。
- 買取業者は、山林や田畑など宅地として使えない土地や、賃貸需要がまったくないエリアの不動産は買取が難しい場合がある、と書いています(ワケガイのよくある質問)。
- 国庫帰属制度は森林も申請できますが、負担金は面積に応じた額になり、森林では、森林組合などとの管理の契約や立木の売買の契約の有無など、確かめられる項目が加わります(法務省・福岡法務局)。
公開事例: 原野や山林の「買い取り」話から、別の土地を買わされる二次被害
国民生活センターによると、過去に原野商法の被害にあった人や、その原野を相続した人に「あなたの持っている土地を高値で買い取る」と電話で勧誘し、「手続き費用」「税金対策」といった名目でお金を請求する手口が寄せられています。原野などを売る話と同時に、新たな土地の購入契約をさせていた事例もあります。相談件数は2016年度に1,076件で、2017年度は12月31日までに1,196件(前年同時期の約1.8倍)とされています。国民生活センターは、「土地を買い取る」と言われてもきっぱり断り、困ったら自治体の消費生活センターなどに相談するよう呼びかけています。
出典: 国民生活センター「より深刻に!『原野商法の二次被害』トラブル」(2018年1月25日公表)(2026年10月25日に確認)
自分から査定を頼んだ業者でも、査定の前や契約の前に費用(測量・広告・整地など)を求められたら、その場で払わず、宅地建物取引業の免許番号を確かめてください(当サイトの考え)。免許の調べ方は買取業者の比べ方に書いています。
相続土地国庫帰属制度は、自分の土地に使えますか?
建物がなく、権利や境界の争いがない土地なら、使える可能性があります。2023年4月27日に始まった制度で、相続か、相続人への遺贈で土地を取得した人が申請できます。制度が始まる前に相続した土地も対象です(法務省)。
- 申請できない土地(却下): 建物がある、担保権や使用収益の権利が設定されている、他人の利用が予定されている(通路・墓地・水路など)、土壌汚染がある、境界が明らかでない・所有権の争いがある。
- 承認されない土地(不承認): 管理に過分の費用や労力がかかる崖がある、管理の妨げになる工作物・車両・樹木などが地上にある、除去が必要な物が地下にある、隣地との争いを解決しないと管理できない、など。
- お金: 審査手数料は土地1筆ごとに14,000円で、却下・不承認・取り下げでも返ってきません。承認されたら負担金を、通知が届いた翌日から30日以内に納めます。負担金は20万円が基本で、市街化区域などの宅地・農地や森林などは面積に応じた額になります(法務省)。
- 共有の土地: 共有者全員で申請する必要があり、1人でも同意しなければ申請できません(法務省のQ&A)。共有で困っている場合は共有持分だけを売る道も比べてください。
- 相談: 土地がある都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門で、予約制で受け付けています。対面・電話・ウェブから選べ、1人1日1回30分です。支局・出張所では受け付けていません(法務省)。
使えない土地の条件と、使えなかったときの次の手は相続土地国庫帰属制度のデメリットにまとめています。
空き家・空き地バンクと、隣地への声かけはどう進めますか?
空き家・空き地バンクは自治体ごとに運営されていて、利用の条件も自治体によって違います。国土交通省は、各自治体の情報を横断して検索できる「全国版空き家・空き地バンク」を用意しており、運営は株式会社LIFULLとアットホーム株式会社です(国土交通省)。土地だけでも載せられるか、県外の人でも使えるかは、土地がある市区町村の担当課に確かめてください。
隣地の所有者には、土地の範囲が分かる資料(公図・登記事項証明書)を用意してから声をかけると話が具体的になります(当サイトの考え)。境界がはっきりしない土地は、国庫帰属制度でも申請できないため、どの道を選ぶにしても境界の確認が先になることがあります。
自治体への寄付は、受け入れの基準を自治体が決めています。たとえば名古屋市は、市の事業に使える土地か、処分(換価)が容易と見込まれる土地を、受け入れの基準に挙げています(名古屋市)。売れない土地ほど寄付も受けてもらいにくい、と考えておくのが現実的です(当サイトの考え)。
自分の土地では、どの順番で当たればよいですか?
土地の種類で、最初に当たる先が変わります。下の順番は当サイトの判断で、同時に進めてもかまいません。
- 建物つきの宅地: 買取業者の査定(2〜3社)と空き家バンクを同時に → 隣地に声をかける → 売れなければ、解体して国庫帰属制度を比べる。現地に何度も行けない場合の段取りは遠方の実家を立ち会わずに売る手順へ。
- 道路に面した更地・宅地: 土地活用の余地を確かめる → 隣地 → 空き地バンク → 国庫帰属制度。
- 農地: 農業委員会に相続の届出をして、買い手・借り手を探す方法を聞く → 国庫帰属制度。
- 山林: 市町村に90日以内の届出 → 隣接する山林の所有者や森林組合に声をかける(当サイトの考え) → 国庫帰属制度の要件と負担金を法務局で確かめる。
相続した家と土地を「売る・貸す・活かす・手放す」のどれにするかから考え直したい場合は、相続した実家はどうする?4つの質問で決めるへ。市街化調整区域にある家で建て替えができないと言われた場合は、市街化調整区域の実家の確かめ方と売れる相手を先に読んでください。
向いている人
- 建物つきの宅地で、仲介では買い手がつかなかった(→ 買取業者)
- 道路に面した宅地で、周りに住宅や店がある(→ 土地活用の比較)
- 相続登記を済ませた、または進めている
向いていない人
- 農地のまま売りたい(→ 先に農地がある市町村の農業委員会へ)
- 山林だけを手放したい(→ 買取が難しい場合があるため、国庫帰属制度と、届出をする市町村の窓口へ)
- 人の住まない山間部などで、借りる人・使う人の見込みがない土地(→ 土地活用は申し込まない。活用を提案できる会社が見つかりにくいと考えられます(当サイトの考え))
業者に相談すると、売れない土地なのに話を進められたり、営業の連絡が続いたりしないかと迷っている人へ
手放すか持ち続けるかを決める前に、売った場合と活用した場合の材料をそろえられます
建物つきの宅地や、再建築不可・共有などの事情がある土地を手放したい人(買取)
- 費用
- 査定は無料。価格や条件が折り合わず買取に至らなかった場合も、費用はかかりません
- かかる時間
- 申込フォームは「60秒でカンタン入力」
- 分かること
- 買取の査定金額。相談から3営業日以内に提示されます
- 申込後の連絡
- 「しつこい営業は行いません」と公式サイトに書かれています。山林や田畑など宅地として使えない土地は、買取が難しい場合があるとしています
道路に面した宅地で、持ち続けて活用する道も比べたい人(土地活用プラン)
- 費用
- 「収支シミュレーション」「土地の需要調査書」「工法別の活用事例」を無料で受け取れると公式サイトに書かれています
- かかる時間
- 入力は「たった3分で完了」と公式サイトに書かれています
- 分かること
- 複数の会社からの活用プラン。登録企業は120社以上(2026年11月現在と公式サイトに記載)
- 申込後の連絡
- 複数の会社に依頼が届く仕組みなので、各社から連絡が来ると考えておいてください(当サイトの整理)。断りにくい場合は運営会社が代わりに断ることもできる、と公式サイトに書かれています。連絡の方法は公式サイトに記載がありません
上の内容は、ワケガイの公式サイトとよくある質問、タウンライフ土地活用の公式サイトに書かれていることです(2026年10月25日、11月1日に確認)。タウンライフ土地活用は、土地を持っている人か、相続する予定の人が対象と書かれています。
出典
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」(2026年10月25日に確認)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」(2026年10月25日に確認)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」(2026年10月25日に確認)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の相談対応について」(2026年10月25日に確認)
- 福岡法務局「相続した土地の国庫帰属をお考えの方へ」(2026年10月25日に確認)
- 農林水産省「農地をめぐる事情について」(農地の売買・貸借の許可。2026年10月25日に確認)
- 農林水産省「農地を相続したときは(農地の相続等の届出)」(2026年10月25日に確認)
- 関東農政局「農地転用許可制度について」(2026年10月25日に確認)
- 林野庁「森林の土地の所有者届出制度」(2026年10月25日に確認)
- 国土交通省「全国版空き家・空き地バンク」(2026年10月25日に確認)
- 名古屋市「不動産の寄附(遺贈を含む)について」(2026年10月25日に確認)
- 国民生活センター「原野商法の二次被害」トラブル(2026年10月25日に確認)
- ワケガイ(公式)(2026年10月25日に確認)
- ワケガイ「よくある質問」(2026年10月25日に確認)
- タウンライフ土地活用(公式)(2026年11月1日に確認)